「由姫ちゃんっごめんね!!」


「いきなりどうしたのよ」


「夏祭りの時、お母さんに頼まれた事……」


「あぁ、まぁいいのいいの。凄い修羅場を見ちゃったし」



何だか由姫ちゃんがイキイキしてる様に見える。



「でも……」


「あんないい写真、私がいなかったら取れなかったんだよ?あんなの一生の思い出よ」


「……た、確かに」



凌と手を繋げて、しかもツーショット。由姫ちゃんの言う通り、一生の思い出……?



「でも、あの修羅場は凄かったわね」


「さっきから修羅場って……もしかして梨加ちゃんと朝陽の事?」


「あれは梨加の大暴れね」


「……もしかして、ずーーーっと私たちの事見てたの?」


「うん。最初から最後までね。見失ったら写真撮れなかったし」


「へ、へぇ……」



全く気づかなかった。



「よりによってあんな写真をお母さんに……」


「あれは穂乃のお母さんの趣味だから仕方がないね」


「ははは……」



由姫ちゃんもお母さんの事をよく理解してる。



「で、何か変化あったの?」


「変化……」



凌に対してって事だよね。