夏休みが終わって2学期が始まった。
正直、学校に来るのが怖かった。噂が広がっていたらどうしようってことが頭でいっぱい。
凌は大丈夫って言ってたけど、やっぱり不安。
でも、凌の言っていた通り、一緒に住んでいる噂は広がっていなかった。
さすがに、疑いすぎて失礼だと反省。
疑ってしまった自分が嫌い。
朝陽、梨加ちゃん……ごめんなさい。
そして、2学期と言えば文化祭。
クラスの出し物は何にするかなど、色んな意見が出された。
それで、1年B組はメイド喫茶に決まった。
男女関係なく、やりたい人はメイドの格好になれるらしい。
もちろん私は裏でのサポート。表に出るとかありえない。
「ほ、穂乃ちゃん」
「う、うん?」
声をかけてきたのは、山井さんだった。まだ、少しギクシャクしてるけど、話すこともある。
「メイドやらな〜い?」
「え、私はメイド出来ないよ……」
「でも、穂乃ちゃん可愛いし、お客さんたくさん来てくれると思うからさぁ〜」
むりむり。私には表なんて向いてない。
「私には向いてないから……人前に出たくないし」
「じゃあさ、メイド姿だけでもいいから〜」
そのメイド姿も嫌なんだけど……。
「い、いや……それもちょっと」
また、山井さん達と揉め事にはなりたくない。
「山井ちゃん!穂乃ちゃんはね〜人見知りだからホールはダメだよ〜?それに、本人もそれを分かってるみたいだしさぁ。ね?穂乃ちゃん!」
「う、うん。ごめんね、山井さん……」
梨加ちゃんが駆けつけてくれた。
「そ、そっか。なら仕方がないね〜。もし、人が足りなくなった時は少しだけでいいからよろしくね〜」
「うん」
文化祭で色々とクラスのことを考えてくれてるのは知ってる。申し訳ないなとは思うけど、無理なものは無理なんだ……。