「なぁ、この辺人多すぎてヤバくないか」
「そのくらいの方が楽しいよ〜!」
「みんな、離れないように」
「は〜い!」
「……」
いっそ、人混みに紛れた方が楽かな。
「おいっ!本当にまずいって!」
「確かに、戻ろうか」
「凌君こっち!」
「えっ!本田!?」
「おい!梨加!!」
「……凌」
凌と梨加ちゃんは人混みに揉まれて、姿が見えないくらい先に行ってしまった。
私も人とぶつかって、どこに進んでるのかも分からない。
「ちっ!篠宮」
「えっ!?」
近くにいた朝陽が手を引いてくれた。
少し歩いて、人混みが少ない場所に出た。
「ごめん。凌達と離れて」
「ううん。それで良かったよ」
「梨加には今連絡取れたから、こっちに来てくれるって。もう少しまってて」
「……うん」
「俺でごめんな」
「ううん、朝陽が私の腕を引っ張ってくれなかったら、1人になってたと思うから……。ありがとう」
「俺はずるいんだ」
「え?」
「梨加の考えてることが何となくわかってて一緒に来たから」
「どういう意味?」
「ごめん、言えない。だけど、俺も反省してるから、何とかする。」
朝陽の言ってる意味が分からなくて、でも朝陽は本当に申し訳なさそうな表情をしている。

