「なーんだ……お母さん、期待しちゃったよ」
「先走りすぎ」
「由姫ちゃん、今からでも一緒に行く予定にしようよ。凌に連絡するし」
「いや、2人のデートを邪魔する訳には行かないよ」
「でも……」
「ちょっとね、用事があるのよ。だから、遠慮はいらないよ」
用事?
「由姫、それってなんの用事なの?」
由姫ちゃんママも気になるみたい。
「穂乃にはまだ言えないけど、お母さんになら後で教えてあげる。だからついてきてね」
「はーい!」
ど、どういう事!?やっぱり、由姫ちゃんに彼氏ができたんじゃ……。
あ、でもそしたら母親には言いづらいから逆だよね?
それに、お母さんとは行かないか。
「え、気にな……」
「はい!髪型のセットも終わり!あれ、穂乃そろそろ時間じゃない?」
由姫ちゃん家の時計を見ると、18時前だった。
凌とは18時から祭りに行く予定だから、由姫ちゃん家をもう出ないと間に合わない。
「あ!本当だ。もう行かなきゃ。着付けありがとうございました!お邪魔しました」
「また来てねー!」
「はい!」
「私がちゃんと思い出残しとくわよ」
「え?」
由姫ちゃんからの意味深な言葉でも少しモヤッとした。
今日の由姫ちゃんは不思議発言ばかりで、謎が多かったな。
後でもう一度聞こうかな。気になって仕方がない。
さっきの事を考えているうちに、家に着いた。
あ〜夏祭り楽しみだな。

