「多分、その時に朝陽は私の後ろにいたんだね」



距離は離れてたとは思うけど。


あの時、見られてたとはっ!!!



「あの時は、朝陽がなんで私の傘を知っていたのか疑問だったんだよね……」


「まぁ、柄とか知ってたのかもね」


「あの日は、新しい傘だったから知らないはずなの」


「なんほど」



朝の登校班は違かったし。


朝陽が傘を届けてくれたから、お母さんに怒られずに済んだんだよね。


駄々こねて、ちょっと高めの傘を買ってもらったから。


あの時、私……。


「今、思い出したけど、朝陽が傘を家に持ってきてくれた時、恥ずかしかったんだよね……」


「傘をブン投げたのを見られたかもしれないって思っちゃったのか」


「そう。朝陽は何も言わずに帰って行ったし」


「ふっ朝陽らしいね」



朝陽だったから、良かったのかもしれない。


でも、今更こんな話は恥ずかしくて言えないなぁ。ちゃんとした真実に興味はあるけど……。