もう、今日は厄日なんだろうかかってくらい、恐怖を味わってる。
近づいてくる足音に、身体中が震える。
どうしよう、何も出来ない。
ガチャ
さらに、リビングのドアが開けられて、この世の終わりだと思った。
誰かがいるのは分かってる。電気を消しているから、誰だか分からない。
「穂乃?」
「……りょ、凌?」
聞いた事のある声は泥棒じゃなくて、凌だった。緊張が解れて力が抜けた。
私の様子を見て、おかしいと思ったのか凌が近づいてきた。
「りょうっ」
ぎゅっ
私は凌に抱きついた。自分らしくないことは分かってる。
「泣いてた?」
「……うん。恥ずかしながら」
ピカッ
ゴロゴロゴロゴロゴロ
「っ……」
更に腕に力を加えた。
凌は頭を撫でてくれている。
「夕方じゃなかったっけ……」
「雲行きが怪しかったから、帰ってきた」
「でも、今がピーク……」
今がだいぶ近いと思うんだけど。

