「っ凄い焦げ臭いけど、火事!?どうしたの!?!?」
やっぱり……。
「お、おはよう……。ごめん、朝ごはんを作ってたんだけど、焦がしちゃって……」
「……そういうことかぁ〜。良かった」
そう、2階から降りてきたのは凌だった。2階にまで臭いが行ってたとは……。しかも、起こしちゃったよね。
「ほんと、ごめん。朝ごはんはインスタント麺でもいい……?」
「取り敢えず、朝はそれでもいいよ」
「ありがとう……」
幻滅されたかな……。
「穂乃って、料理苦手?」
「うん。昔から不器用でほとんどした事ない……この機に慣れようかなって思ったんだけど、無理っぽいかも」
「じゃあ、一緒に練習しようか」
「え?」
練習?
「俺は結構作るの好きだから、夏休みの間も、その先も料理を一緒に作って慣れよう」
「いいの?女なのに作れないとかダサいとか思ってない?」
「思ってないよ。得意不得意は人それぞれだし、穂乃が練習するなら、俺と一緒に不得意から得意にしようか」
なんて優しいんだろ。
「ありがとうっ。今日から、よろしくお願いします」
凌に深々と頭を下げた。

