藤が誠実に私に言ってくれたから。今度は私が、ちゃんと口にせねば。

「……藤、彼女ができたって聞いた。藤から何にも聞いてないから、藤の口からほんとのこと聞こうと思ってた。藤の言ったことが、私にとって真実だから。……だけど、藤の彼女さんから見た私は、すごく邪魔者だなって思った。藤と藤の大切な人との関係を壊しちゃわないかってずっと思ってた。今日、お出かけ連れて行ってくれてるけど、これも大丈夫なのかなって」

藤は私の切羽詰まって口から出た言葉を黙って聞いていた。

「今日はやっぱり無理させちゃったね。話してくれてありがとう。
彼女はね、できたよ。言ってなくてごめんね。俺の言葉を待っててくれてありがとう。」
一度そこで言葉を区切ると、藤は私の頭を優しく撫でた。