「そうだよね。俺たちは互いを異性だとは思ってない。すべての人が俺たちとおんなじ感じ方をしてるわけじゃないのはわかってる。けどこれは絶対に変わることのない感情だ。浮気なんて考え、絶対ここには存在しない。」
「うん、絶対ありえないよ。少なくとも私たち二人は互いをそんな風に見ない。」

私は、藤という人間と、藤がくれる時間が好きだ。
藤を手放したくないと思うのは、私の勝手だけれど、赦してほしい。
大切な友人を失うことは、人生における大きな損失だから。

「瀬戸、ここにいて。俺の傍にいてほしい。余計な心配なんてしなくていいから、瀬戸が俺といたいと思ってくれてるなら、ここにいて」
「藤、私は藤と藤のくれる時間がすきだよ。だから藤の隣にいさせて」

私の体を藤が一等大事なものを手に取るように抱きしめた。

「もちろん、瀬戸、ありがとう。大好きだよ」