「馬鹿にすんなって思った方がいいよ」
嫌われたいのか、本当に放っておいて欲しい気持ちもあるのだろう。僕が何も言わずに接するからか、呆れたようにそう彼女は言うけれど。
憎まれ口を叩くけど、
僕が疲れてそうな時や忙しい時は意外とじっとしてるんだ。
本当なら、そのタイミングを見計らった方が脱走しやすいだろうに。
僕を困らせたいなら、忙しい時に重ねた方が困らせることができるだろうに。
そして、彼女自身が弱っていて、人の手を借りないと動けない時は絶対に動かない。
その反動か、歩けるようになって、動き出す。回復具合で、行動のパターンが変わるので、わかりやすい。……そして、お母さんが泣いてる時、岡本さんもわからないように、泣いてる。
「いつも心がワガママばかり言ってすみません」
「……いつも元気で僕も岡本さんから元気をもらってますよ」
何か余計なことを言うんじゃないか、言うなよって無言の圧を視線と空気で感じつつ答える。



