先生との恋・番外編集・




「あ…高橋先生」


「お疲れ様です」

岡本さんのベットの前、カーテン越しにパソコンを打っていた看護師さんが近づく僕に気づいて声をかけた。

「…どうですか?」

天井から下がっているモニターを見ながら聞くと、

えっと、とカチカチ画面を操作してカルテを見てくれる。

「さっき酸素減量しました。夜中は眠れてなかったみたいで、ご飯を食べたあと、うとうとしてましたよ」



多分、寝てるかな…そういい声を落としてカーテンを覗く看護師さん。

夜、眠れてなかったのはカルテで読んで知っている。



「隣が夜中すごくて」


困ったように隣のベットの方へ視線を送るので、つられてそっちを見る。

「外して。外してーー!看護師さーん!」


独り言のように、

だけど時々声を張って看護師さんを呼ぶ声。


「ここにいますよ、寝ててください」

僕の横から看護師さんが返す。


「心ちゃんには悪いんですけど、まだベットが空かなくて移動できなくて。落ち着いて退院する方が早いかもしれない」