あれから数日。
僕の頭の中にはあの時の彼女の姿がまだ鮮明に残っている。
なにせ僕が見たものの中で一番美しいものだったのだから。


一ヶ月後
あの日と同じ道を偶然通った時だった。
彼女を見つけた。
白く綺麗な手はあの時のまま
あの日出会った少女であった。

しかし、あの時とは違い、
彼女に輝きはなかった。



僕の腰近くまで積もった雪の山に
彼女は倒れていた。
真冬の冷たい雪の上で寝るような輩は
きっとどこにもいない。


僕は彼女のもとに急ぎ、

「大丈夫ですか!?」

そう声をかけるが彼女からの返答はない。

彼女の白い手は今にも凍りそうなほど冷たかった。

僕は救急車を呼ぶ。