「最後、雛にあげる」
「また太っちゃうな…」
いつものポテトのくだり
「もっと太ってもいいよ」
「私は痩せたいの!」
「抱き枕は
柔らかめの抱き心地が好きだから…」
「あのカンガルーちょっと硬くない?」
「んー、アイツね
オリバーがくれたんだ
強いて言えば
もう少し胸があってもいい」
「カンガルーってどこに胸あるの?
それとも、私のこと?」
「雛の胸はまだ触ってないからわかんない」
凰ちゃん
みんなが日本語わかんないと思って
そんなこと言って
「あのカンガルー、ヒナって名前なんだ」
「扱いが雑だったけど…」
「そんなことない
雛が日本帰ったら
またアイツの世話になんなきゃ…
大切にしてる」
ソファーにずっと投げてあるけど…
まだ触ってないって
いつか触るのか…
想像したら
胸がキュッてなった
「あー、明日からまた
ポテト食べてもおいしくないな…
…
ポテトだけじゃなくて
雛と食べると何でも美味かった
…
ちょっと柔らかめのパスタも
具が大きめのカレーも
焦げ気味のトーストも
何食べてもおいしい」
「ん?
それって…」
「褒めてるよ
雛の顔見て食べると飯がうまい」
「そぉ…それならいいよ」
凰ちゃんの顔を見て
最後のポテトを食べた
凰ちゃんの顔見ると
痩せたい
綺麗になりたいって思うのに…
食べちゃう
最後、雛にあげる
ホントに最後だね
凰ちゃん
ありがと
あっという間の
1週間だった



