「こんにちはー」

今日は、高校生になって初めての部活。

ちょっと緊張しながらも、一礼をして、道場に入る

「あ、舞さんだぁ〜、こんにちはぁ〜」

挨拶を返してくれたのは、2年生の先輩、平沢 莉々葉(ひらさわ りりは)先輩

平沢先輩は、無邪気に笑いながら、私の元へ来てくれた。

「舞さん、今日も可愛いぃ!!もう、毎日この、天使ちゃん見れるとか最高なんですけど!」

いやいや、平沢先輩の方が、可愛すぎるし、天使ですよ。と思いながら、別のツッコミを入れた

「っていうか、なんで、“さん”付けなんですか?“舞”で良いですよ」

「いやいや、舞さんは、強いから。私たちじゃ敵わないから」

平沢先輩は、目の前で手をブンブン横に振りながら言った

「いや、でも、後輩だし…」

「莉々葉〜?」

私が言いきる前に、誰かが、平沢先輩を呼んだ。

「ん?あぁ、侑生か」

侑生?え、あ、もしかして、みゆが言ってた、イケメン先輩のこと?

「あ、舞さん、これは、昨日休んでたんだけど、弘田 侑生(ひろた ゆうせい)

「これって言うなよ」と、笑いながら怒る先輩は、確かにイケメンだった。

「あ、えっと、陽川舞です」

「え、陽川舞⁉︎、え、え、えぇ⁉︎」

え、あ、えぇ?って、そんな、いきなり動揺されても、こっちも、えぇ?ってなるんですけど…

「ちょっと、舞さんに失礼でしょ!」

と、すかさず、平沢先輩がツッコミを入れる

「あ、ごめんっ、でも、陽川さんって、全国中学生大会、優勝、してますよね?」

「あ、はい、一応…」

「うっわぁぁ、すげぇー」

「え、あ、ありがとうございます…?」

思った以上のリアクションに、こっちも反応に困ってしまう…

あはは…と苦笑いを浮かべていると、

部長から、「道着に着替えて」と言う指示が出たので、平沢先輩と女子部室に向かった。

「侑生の第一印象悪かったかもだけど、意外と優しいし、剣道めちゃくちゃ強いから、引かないであげて」

呆れたように話す先輩に、「いやいや」と返事をする。

…っていうか!
弘田先輩、イケメンすぎませんか…⁉︎