きみの瞳に映る空が、永遠に輝きますように



 「バーベキューの醍醐味と言ったらマシュマロだろう?」

 終盤に差し掛かったところでそう言った父は、クーラーボックスの中から、手のひらサイズのマシュマロが入っているものを2袋を取り出した。

 思わぬところから出てきたこととその大きさに驚愕してじっと見つめた。

 ざっと計算しただけでも30個はある。

 「そうかもね。というか買い過ぎだよ」
 
 「だって、滅多に食べられないからさ」

 そういう父は子供に戻ったようだった。

 すぐに串に刺して焼き始める。

 「もっと近寄らないと焼けないぞ?」

 「分かっているよ」

 「ビビっているのか?」

 「お父さんじゃあるまいし」

 「ほらまたそういう言い方をする」

 「だって事実じゃん」

 顔を見合わせて笑う。


 久しぶりにこんな会話をしたような気がする。

 私が病を患ってからは父の方が私の言葉ひとつひとつを真に受けることが増えた。

 そんなこともあってか、本音をぶつけることも冗談を言い合うことも次第に減っていった。

 今日が非日常だからだろうが、この日々が永遠に続いてほしいと思った。

 「ねぇ、お麩みたいになっているよ」

 父のマシュマロは表面が黄金色になっていた。

 「これがいいんだよ、カリっとした方が美味しいぞ」

 そう言って火からおろすとすぐに口に運ぶ。

 父は、熱っ、と反射的に言った後、息を吹きかけて冷まし始めた。

 それには思わず微笑んだ。

 少し考えればわかるでしょ、と言いたくもなるが、それほどはしゃいでくれているのが嬉しかった。