きみの瞳に映る空が、永遠に輝きますように


 「蒼来、ねぇ蒼来ってば」

 私をつつきながら呼びかけるその声に反応をして目を開けると、星絆が前の席に座って振り返っていた。

 
 「やっと起きた。もう放課後だよ」

 「えっ……、先生怒ってなかった?」

 考えてみると、昼食後の記憶が無かった。

 「怒っては無かったけど……。もしかして体調が悪いの?」

 「ううん、大丈夫だから気にしないで」

 最近は授業中に寝ることが増えてきた。

 傍から見ればただの寝不足やサボりに見られるのだろうが、これは夢見病の悪化だと思う。

 なんて、基準がないから好き勝手に言えるんだけど。


 「ねぇ、蒼来って透真とどういう関係なの?」

 「クラスメイトだよ」
 
 「へぇ」

 「どうかしたの?」

 「いや、最近噂されているからどうなのかなって思って」

 「そっか、でも本当にそれだけの関係だからね」

 それには星絆も、そっか、と言うだけだった。

  
 一部の人に噂をされているのは知っていたが、あえて聞こえないふりをしていた。

 私としても、言いたいことを勝手に言えばいい、とのスタンスでいた。
 
 誤解を解くために時間を費やすのは本望ではない。

 それに、時間の無駄でしかなかった。

 だから、透真くんが嫌な気にならない限りは黙って噂が静まるのを待っていようと決めていた。

 実際、私自身が、透真くんとの関係は考えたことが無かった。
 
 正確には、当たり前だと思っていたのかもしれない。

 お互いに迫りくる死の存在を意識してはいるものの、それが今すぐだとは思わない。

 それに甘えていたためか、特別意識はしてこなかった。

 ただのクラスメイトなのか、友人なのか。それともそれ以上の関係なのか。

 少なくともただのクラスメイトではないような気がする。

 きっと、その関係ではお見舞いに毎日は行かない。

 私がというよりも透真くんにとっての負担になるだろう。

 もっと言えば話す内容がない。

 でも、どうしてだろうか、お互いに口を開かずとも居心地がいい。

 その点も踏まえれば友人ともいえるのだろうか。

 あくまでもこれは私の思う関係性であり、透真くん自身がどう思っているかは知らない。

 おそらく数分前の私と同じで何とも思っていないだろうし、その関係性を望んでいるのだとも思った。