きみの瞳に映る空が、永遠に輝きますように


 その翌日もまたその翌日も、学校が終わると誰よりも先に学校を飛び出し、病院行きのバスに乗り込んだ。
 
 病院でもらった薬を毎日服用しているせいか、容態は安定しているほうだ。

 とはいえ、病は日を増すごとに影で悪化しているために、私のすべての終わりまでのタイムリミットが刻々と迫ってきていることに変わりはない。


 だけど、これで良かった。

 残りの時間を無駄に過ごすよりもずっと。
 


 「お姉さんって夢見病なの?」

 いつもと同じように透真くんの病室に向かっていると背後から50代ほどの女性に声を掛けられる。

 「えっ?」
 
 「あの病室をよく出入りしているから」
 
 「違いますよ」

 「そっか、なら良かったわ」

 何が良かったのか、と言いたくなる。

 しかし、これは稀に起こる出来事だから慣れなければいけないのだ。

 聞かれるたびに自分が夢見病であることを突きつけられて胸が締め付けられるのだけど。


 まだ研究が進んでいないために出回っている情報が少ないことがこの事態を呼んでいるともいえる。


 きっとあのおばさんは自分にもうつるかもしれないと心配したのだろう。

 それか、私にうつることを。

 まず、後者ではないだろうが。

 そもそもうつるという情報自体がデマであるために恐れる必要はない。

 だが、直接聞いてくる人もまだいるのか、と思い、今後の行動には気を付けておこうと決めた。

 私が言う前に周囲に夢見病だと知られてしまうと厄介だ。

 おばさんがいる前で今から目的地に向かえば厄介なことになると思い、一度別の場所に向かう素振りをした後に透真くんの病室に向かった。