後日、担当医から治験に関する説明を受けて、その日に同意しサインをした。
一画ごとに手が止まりながらもようやく名前を書き終える。
これから治験が始まると思うと、一度は心に決めたものの、やはり恐怖心が勝ってしまう。
とはいえ、一度決めたことを曲げるのも嫌で、再度決意して治療と向き合うことにした。
それから、早めに治療に入った方がいいとのことで、その日の夕方から入院することになった。
一度帰宅して荷物をまとめたあと、父の運転で再度病院へ向かう。
本来ならば、今回の治験に入院は必要ないのだが、念のために、と初回だけは数日の入院をすることになった。
そうは言っても、副作用さえひどく出なければすぐに退院できるとのことだったので、最低限の荷物だけつめた鞄を膝の上に置いて車に揺られていた。
病院に着くと、私は父に先に病室に行ってもらい、一方の私はというと、一人で病院の屋上に足を運んだ。
どうもこのまま病室に行く気にはなれなかった。

