クラスにも少し打ち解けてきて、勉強も少し難しくなって高校生になったんだとしみじみと感じていた4月下旬。いつもの放課後。

 ドアを開け、この1ヶ月で特等席となったお気に入りの席へと進む。
 いつもは誰もいないそこに、その人はいた。夕方になる前の強い日の光を浴びて、肌の白が目立っているその人はとても気持ちよさそうに眠っていた。


 少し残念に思いつつ、他の席に移ろうとそーっと2、3歩後退りした時、その人はゆっくりと目を覚ました。
 目が合った瞬間に絵画の中の人と目が合っているような、変な気持ちになった。とても綺麗だと思った。