遼兄は少しおいてから、ゆっくりと話し始める。
「いたことは無いし欲しいとも思わない。」
私が想像していた答えと違って驚く。
あの天下の佐々木遼が彼女がいたことないの!?
朝だって、あんなにナンパされてたのに!?
「え、なんで!?」
思わず身を乗り出して聞いてしまった。
すると、遼兄はふっと笑って私の頭を撫でる。
「俺には可愛い妹がいるからな。それだけで十分だ。」
「きゃあああああ!!」
どうやら、私の心の声は、外野が代弁してくれたらしい。
はぁ、なんという模範解答ですか。
心臓止まるかと思ったわ。
嬉しすぎて遼兄を見ることができなくなった私は、両手で顔を覆い隠した。


