そういえば、彼の名前を私はまだ思い出せていないんだった。
ここまできて思い出せないということは、もう自分の力で思い出すことは難しいだろう。
もういっそ本人に名前を聞いたほうがいいかもしれない。
「あ、あの。」
「なんだよ。」
「えっと、ですね。その、名前を教えていただけませんか?」
「はぁぁあ?」
「ごめんなさいすみませんっ!どうしてもあなたの名前が思い出せなくて。」
「はぁ……。小林 奏だ。ったく、同じクラスの名前くらい覚えとけっての。」
ため息をつかれる横で、私はあることを考えついた。
「小林って、もしかして生徒会長の小林真琴先輩の弟だったり?」
「あぁそうだよ。」
小林真琴先輩といえば、集会の時に見たことがある。とても美人だった。
言われてみれば確かに、小林くんも顔が整っている。雰囲気もお姉さんに似てるような。
てか、こんなイケメンの名前を忘れるとかやばいな私。遼兄と駿が近くにいるせいで変な耐性ついてるのかな。
なんて思っていた私は、ピコーンと閃いた。


