「遼兄、さっきから話しかけられてるよ。」
すぐ横から。
「あぁ。」
遼兄はそう言うと、彼女には何もせずに弁当を食べ始める。
いや、あぁ。じゃなくて!
「返事しないの?」
と私が言うと、遼兄は私の方を見てからため息をついた。
「だってお前が言ったんじゃないか。佐藤まりあに俺がねらわ……」
「ストップ!!!」
私が慌てて遼兄の口を両手で押さえると、遼兄は、これじゃおかずが食べれないじゃないかと言いそうな目で私を見てくる。
多分遼兄は昨日の帰り道に私が言ったことを思い出して彼女を無視したんだろう。
でもさ、気をつけろとは言ったけど無視しろとは言ってないからね?
それに、本人の前で言おうとしないでほしい。私が慌てて止めなかったらどうなっていたか。


