案の定、次の日も彼女は私と遼兄に接近してきた。それも、今回はお昼休みだ。
いつものように私の教室に来た遼兄と、いつも使っている席に座ったときだった。
「あのぉ〜、私、昨日この高校に転校してきたばっかりで一緒に食べる人がいなくて……。なので一緒に食べてもいいですか?」
突如として現れた(ように見えた)彼女は、許可する間も無く、向かい合わせに座って私と遼兄の横を陣取ると、弁当を広げはじめる。
マジかっっ!!
許可する間も無く、の言葉通りいいよなんてひと言も言ってないが、ここまでされると拒否できない。
私が何も言わないのをいい事に、佐藤まりあは遼兄に話しかけていく。
「昨日ぶりですね!遼先輩!」
「……」
「あの、実は今日お弁当作りすぎちゃって。あれだったら食べませんか?」
「……」
遼兄からの返事はない。
それでも諦めず話しかける佐藤まりあに私が耐えきれなかった。
「遼兄?」
「なんだ?」
微笑みながら遼兄は聞き返してきた。
とりあえず難聴なんていう理由ではなさそうだ。


