その日の夜。
私はホラー映画の本当の怖さを知ることになった。
「あのさ、遼兄と駿。」
「何?」 「どうした?」
「しばらく、私を1人にしないでほしい。」
なぜなら、1人だと想像してしまうからだ。
なんにもないちょっとした暗い隙間から私を見てる奴がいるんじゃないかと。真っ暗な外から何かが侵入してくるんじゃないかと。
そう思って気が気じゃないのだ。
「もちろんだ。」 「いいよ!」
「なら良かった。あぁでも、お風呂どうしよう。」
「「それなら俺が……」」
「おかあさ〜ん!今日一緒に入ってもいい?」
キッチンにいた母に近寄って抱きしめる。
「あらぁ、結衣どうしたの?ふふ、いいわよ。一緒に入りましょうか。」
「うん!」
よし、これでもう安心だ。
そう思った私は気づかない。
母が遼兄と駿にドヤァ顔を見せていたことを。対する2人は「女になれれば…」と歯軋りしながら思っていたことも。
ちなみに、誰と寝たかは想像にお任せします。


