佐々木兄弟は今日も長女を溺愛中!!

「うげっっ。」

ホラー映画。それは、私が苦手とするどころか大嫌いな分野である。

小学生の頃に、井戸から女の人が出てくる例のホラー映画を無理矢理お父さんに見せられたのだ。
それは、幼かった私を恐怖のどん底に陥れ、すっかりトラウマになってしまっている。
それ以来、私はホラー映画を観たこともお化け屋敷に行ったこともない。

まさかホラー映画をお仕置きにするなんて。
それなら正座を2時間続けた方がよっぽどマシだ。

「遼兄、他の映画……」

「それじゃあお仕置きにならないだろう?」

「うぅぅ。」

助けを求めるように駿を見た私だったが、駿はなにやら独り言を呟いていて、目が合うことはなかった。耳をすましてみると、

「結衣が遼兄と2人でホラー映画?つまり怖がって震える可愛い結衣を独り占めするのか?信じられない。俺もなんとかして行けないかな……」

と聞こえる。

いや、大事なのはそこじゃないでしょうが!!