前を見ると、駿の可愛さとかっこよさにやられたのか、ナンパ野郎の動きが止まっている。 あ、動き出した。 「お前ら、姉弟か?」 「うん、そ」 「違うよ。結衣は俺の彼女。これ以上可愛い結衣をその目に映すなよ。さっさと消えてくれないかな。」 ガチおこのトーンである。 「ねぇ、なんで彼女?」 小声で聞いてみる。 「とにかく合わせて。」 耳元でさわりと囁かれて意識が飛びかけるが、なんとか冷静になった。 そういえば、いつのまにか結衣ちゃんから結衣呼びになっている。