「分かった。じゃあプール行こうか!」
「うん!」
「駿?」
「なに?」
「駿を抱きしめてもよろしい?」
とりあえず抱きしめさせてくれ。
これは私が悪いんじゃない。
駿が可愛すぎるのが悪いのだ。
私だって、流石に彼女持ちの弟に甘えるわけにはいかないとこれまで我慢していた。
それが、解禁されたのである。
「いいよ。」
おいで、と言わんばかりに両手を広げた駿へ抱きつくと、ふわりと柔軟剤の香りが私の鼻をくすぐった。
ここはとても落ち着くけど、いつか私以外の誰かの場所に変わるんだろうなぁ。
そう思うと、少しだけ悲しくなった。


