「駿は彼女とデートしてればいいじゃん。」
不貞腐れたように呟けば、駿にあっけらかんとした顔で返された。
「俺、彼女いないよ?」
「えぇ嘘でしょ!?ゴールデンウィークの時は彼女いたじゃん!!」
そう、駿の彼女は確かにいたのだ。
ゴールデンウィークのとき、私は駿が明らかな年上(多分高校生)と手を繋いで歩いているのを見たことがある。
そのときの私は、絶望(駿に年上の彼女がいる事実に)と悲しみ(彼女ができた報告を私にしてくれなかったこと)に打ちのめされながらも、これからはあまり駿には構わないようにしようと考えたのだから。
「別れた。」
「なんで?」
「ロック画面の写真をずっと結衣ちゃんの制服姿にしてたらお姉ちゃんと私どっちが大事なのって言われちゃった。」
は?


