数ヶ月過ぎて季節は夏。

そう、リア充が量産される夏休みである。

私は何をしているかって?リビングで駿と課題を片付けていますよ。

ちなみに遼兄は受験生なこともあって、塾に通っているからあまり家にはいない。
2年後には私もそうなるのかと想像しかけて……
冷や汗が出てきてしまうからやめよう。

とりあえずやるべきは目の前のこの数学の課題だ。
私がう〜んと苦戦していると、ひと段落ついたのか、駿が話しかけてくる。

「結衣ちゃん、夏休みはどこに行く?」

「まだ決まってないよ。」

「じゃあ俺とプール行かない?」

「どうせ駿は一緒に行く子いるでしょ。慰めならいらないから。」

遼兄はきっと私と遊ぶ時間なんてないだろうし、一方の私も彼氏なんかいないし作る気もない。

理由?そんなの簡単。
遼兄と約束してしまったからね。

私は今からでも遼兄に養ってもらう気満々だぜ!
なんてのは冗談で、ただ単に男子との接点が無かっただけ。

だから、夏休みの予定?リア充?なにそれ?状態だ。


でも駿の場合は違うだろう。
中学でもモテてるんだろうし、私とは違って女子の方から接点を作ろうとしてくれるだろうから、姉に構ってる時間なんてないはずだ。

それに、駿には彼女がいる。