そう言うと西園寺先輩は一瞬目を見開いた後、まるで映画のワンシーンのような笑顔を浮かべた。
「そうじゃなくて。ここに来てからずっと顔色よくなかったから体調悪いのかと思って心配したんだけど
……ごめん。俺がなんの説明もなしに連れてきたから怖がらせたよな。」
西園寺先輩私を心配する目つきで、その目に私を捉えたまま頭を撫でてくれた。
見れば見るほどきれいな顔立ちに目を逸らすことが許されないような気がした。
痛むことを知らないようなサラサラの髪が少し目にかかっていて、その隙間からすべてを見通してくるような真っ黒な瞳から目を逸らせない。
…………さっきまで緊張でまともに顔を見ることができなかったけど、ピアスついてる……
白い肌に、はっきりとした目鼻立ちの黒。その対になる二色にいい感じに溶け込むルビーのような赤が映えていてただただ美しい
「……………おーい、大丈夫?もしかして本当に体調悪い?」
黙り込んでしまった私を心配して西園寺先輩が私の眼の前で手をひらひらと動かす。
……………って!私なに見とれちゃってるの!!
「ごっ……ごめんなさい!!少しぼうっとしてました……」
「ほんと?体調悪くないたらよかった。
………あ、そうだ、怪我したところ見せてみろ。」
「あ……はい………」
西園寺先輩は私を起き上がらせてくれると、ソファに座る私の前にしゃがんだ。
靴下を少し下げると、赤く腫れたくるぶしが見えた。
怪我というのは自覚すると痛みを増してくるもので、じんじんとした痛みが広がるのに思わず顔をしかめた

