【電子書籍化】いきおくれ令嬢は、クールな騎士様の溺愛に翻弄されています



チェスター家と言えば、公爵の家だ。


つまり、私よりも身分は上。許可もなく頭を上げることは、この貴族社会では許されない。


お父様だけなら私は仕事に行ったけれど、さすがに公爵様がいるのに出かけるなんてことはできない。

さっきお父様が私を呼んだということは、私も聞かなくてはいけない内容なのだろう。

ただの伯爵令嬢である私に拒否権なんてものはない。


いくらお仕事だと言っても、本来私がやっているはずのない事だ。断る適当な理由も付けられない。



「シェリー、出かけるところだったのは悪いけれど、応接室に来てくれるかい? ディナードはマリエルを呼んできて」



いつの間にかこの場に来ていたディナードが、「かしこまりました」と返事をして屋敷の奥に入っていった。

ちなみに、お父様が言ったマリエルというのは、お母様のことだ。


ここまでされたら、本格的に行かないという選択肢はなくなってしまった。

まぁ、行くしかないのだけれど……。