お兄様だけでなく、お父様も私には甘いので私のその申し出に喜んで簡単な仕事を回してくれた。
きっと直ぐに飽きるだろうと思い、面白半分で私にやらせてくれたみたいだ。
だけど、私はお父様の思惑から外れ、飽きるどころかのめり込んでいった。
──お仕事って面白い!
毎日変わる状況や、報告書から読み取れる思惑が様々で楽しい。
疑問に思ったことや、分からないことは調べたりこっそり現地に行ってみたりもした。
こっそりとは言っても、たぶん家族にはバレているけれど。
そのおかげか、私に任される仕事は段々と増えていき、報告書の不備を見つけたり、村からの嘆願書なんかも読んで解決策の案を出したりもするようになった。
お兄様がいるから、私は家を継ぐ必要もないのであくまでもお手伝いに過ぎない。
最終決定権はお父様と次期伯爵家当主のお兄様にある。



