それに、好きなことをさせてくれている家族が大好きだ。だから私は一八歳を過ぎた時、お父様に申し出た。
「お父様、わたくしにもお仕事手伝わせてくれませんか?」
幼い頃から淑女教育も受けて、自分の住んでいる領地のことなのだからとお父様がどんな仕事をしているのかも見てきた。
そのため、お父様の仕事に興味があった。
もちろん興味だけでできないことは分かっている。興味半分、結婚しない親不孝な娘の罪悪感が半分ってところだ。
今まで守ってきてもらって、好きなことをさせてきてもらった。
だから、少しでも役に立てたらと思ったのだ。
もちろん、女性の私が領地経営をしているなんて知られたら、お父様の評価が下がってしまう。だからあくまでもこっそりと……だ。
初めは書類仕事など裏方の仕事だった。
お母様は厳しいけれど、「やってみなさい」とだけ言ってくれたから、たぶん応援はしてくれている。



