──お兄様、ものすごくイケメンなんだもの……。
私と同じブロンドヘアで、目はお父様譲りの翠眼。まさに王子様と呼べる顔立ちだ。ちなみに私の目の色はお母様譲りの薄いピンク。
結婚するなら、このお兄様よりかっこよくて頼りになる人がいい。
そんなことを思う私も、ブラコンなのだろう。
でも、大好きなのだから仕方がない。お兄様よりかっこいい人なんているのだろうか……。
そんな夢を追い続けていた私は、いつの間にか一八歳になり婚期を逃していた。
いくら家柄が良くても、婚期を逃した令嬢に求婚するには勇気がいるだろう。
それに、同じ年代の人達は既に婚約や結婚をしてしまっている。もちろん、私に求婚してきた人達も──。
だから、必然的に私の結婚相手はバツイチか、だいぶ年上の人か、まだ婚約者のいない年下しか選択肢がなくなってしまっている。
もちろん、その中に私の理想の相手がいるとも思えないので、私は結婚を諦めていた。



