「土方さーん呼びました?」


扉を開けた彼はめんどくさそうに問いかけた

やはり私の世話など面倒なのだろうか


「総司、コイツに剣術やら茶の入れ方やら
 教えてやってくれ」


土方さんが頭を下げた

珍しいことなのか、総司さんは目を見開き
少し笑った


「こんな女の子に
 剣術なんてできるんですか?
 僕そんな甘くないですよー」


『僕、頑張って覚えます。厳しくても
 平気です。宜しくお願いします』


何もできない私じゃ
きっとここには置いてもらえない。

今までは、言われるがままに人の願いを叶えてきた。

でも、私のことを知っていて利用するでもなく、優しく接してくれるこの人たちともう少し一緒にいたい。


生まれて初めてお願いをした。


「んー。
 こんな可愛い子にお願いされちゃぁねぇ
 僕、子供好きですし、喜んで」


総司さんはニィっと笑顔を見せてくれた。


『あ…ありがとうございます』


その笑顔に少し安心し、頑張ろうと決意した