クールな美形王子の誘惑




はむっ、とカレーを頬張ると、


家で食べるカレーとは全然違って、さくらちゃんの言う通り、すごく美味しかった。




「美味しい…!」



「ありがとう。
いっぱい作ったから、いっぱい食べてね」




八雲さんがニコッと笑う。



そして、「水持ってくるよ」って言って八雲さんが席を立った。




「……スパイスからって、
料理できる人って感じするなぁ」




すごいなぁって呟いたら




「……それくらい、俺だってすぐできるようになるし」




梓くんが拗ねたようにそう言って、カレーをバクバク食べていた。



梓くん、さっきこたつ片付けようとしてた時もだけど、


なにか、焦ってるような感じ。



悩みがあるのなら、教えてほしいけど…



そんなこと、聞ける立場じゃない。