クールな美形王子の誘惑




焦って片付けることでもないし、


まだ暑いといえる気温でもないから、ヒーターをつけなければちょうどいいかもしれない。


そう思って梓くんを止めたけど、やっぱり恥ずかしくて顔は見れなかった。




「……じゃあ、このままで」




片付ける手を止めた梓くんは、いつも場所が決まっているのか、すぐにこたつに足を突っ込んで座った。



私は一番近くに立ってたのが梓くんの向かいだったから、そこに座ろうとしたんだけど…。




「……あずはこっち」




梓くんがそう言って自分の右隣をトントンと叩くから、


俯きながら、「失礼します…」と言って隣に座った。