クールな美形王子の誘惑




「…え…」




ふわ、と香る甘い匂い。


梓くんの匂いだってわかる。



それがすぐ近くにあるんだって。




「梓く…」



「……八雲クンなんて見ないで」




頭の上から降ってきた声と、後頭部にまわされた手に力がこもって、やっと、梓くんに抱きしめられてるんだって理解した。



いや、でも…




……窒息する…!!!!




「梓くん…苦しい…っ」



「!
ごめ…っ」




梓くんが離してくれた時、


急に、抱きしめられてたことが恥ずかしくなってしまって、顔に熱が集まって…。