あの子もあの時、そう思ってたのかな。


そう思ってくれてたらいいなって、今までめんどくさいって思ってた気持ちを、その子が俺に抱いてくれたらいいのにって思った。




───けど、そんなことなかったわけだ?



間違えちゃったな…俺…。










「ただいま……」



「おかえり梓!」



「リリー…なんか元気だな」



「そういう梓はゲンキじゃナイ!
ゼッタイうれしそうに帰ってくるって、
オモテタのに!」



「……あー…うん…」




家に帰ったら、出迎えてくれるリリー。


リリーと一緒に暮らしたのは失敗だったかな。



ちょっとだけ日本に滞在するって言うから、俺の方じゃなくて実家の方に泊まらせればよかった。




「悪いな。
リリーに当たっちまった」



「梓…
ゲンキないと、かなしい…」



「んー…大丈夫。
すぐ立ち直れるから」