「どうぞ、乗って」



「え、いや…そんな」




わざわざ送ってもらわなくても、20分待つだけだし…!!




「もう!あずさ、早くして!」



「あっ、はいぃ…すみません!!」




マネージャーさんに怒られてしまい、「お願いします…」と小さな声で言って車に乗り込んだ。




「……キミ、
あずさっていうの?」



「えっ、あ、なっ、名前ですか?」



「うん」



「はい、あの、宮坂あずさといいます」




なんて、自己紹介したところでもう王子と関わることなんてないのだろうけど。




「……やっぱ、
運命だと思う」



「……は、はい?」




王子がボソリと何かを呟いた後、


ぎゅっと両手を握られて。





「俺と付き合おう」