気のせい?と思って訊いたら、
「うん。好き」
八雲さんが、冗談とは思えないくらい真剣な顔でそう言うから、
思わず『きゃあッ!』とふざけた声が出てしまった。
「あっ、ごめんなさい…!
なんか、照れちゃって」
「なんであずちゃんが照れるの」
八雲さんがははっ、と笑う。
こんな素敵な人に好かれるなんて…
さくらちゃん、突っぱねないで絶対もっと話すべきだよ。
「……ごめんね。
梓さんにお酒飲ませたのは、わざと。
酔ったら少しくらい、塩対応なくなるかと思って…面白半分だった」
「さくらちゃんに飲ませようとは…」
「断じてしてないから!
あずちゃんのもさくらちゃんのもちゃんと水だし!
……でも、いい加減な男って、思われた…よな」



