私は、ゆっくりと目をあけた。








「…」








ピピピピ…


いつもの目覚まし時計。






「……なに、今の」







ピピピピ…







何で私、



泣いてる?







ピピピ…






アラームを止めて、涙を拭く。






泣いてる自分にビックリしながら起きる朝。






…今日の夢は、覚えてる。





妙に鮮明で



私の感じた気持ちも本当にリアルで



なんか今



心にぽっかり穴が空いたみたいな



あー

胸が、モヤモヤしてる。



ほんと、なに?








『もし……俺が柊さんを好きって言ったら、困る?』







昨日の時山君がフラッシュバックした。








胸がズキズキと痛み出す。











「美琴ー?」



リビングからお母さんの声に、現実に引き戻された。











壁にかかるセーラー服と目が合う。






学校……行かなくちゃ。