ポンポンポンポン…♪
……
シャトルランのアナウンスだけが鳴り響く体育館。
突っ伏してる時山くんの手は
僅かに白線に触れてる。
ポンポンポン……
先生がアナウンスを止めた。
「…時山、158回!」
ワァ!!と体育館が沸いた。
時山くん、学年トップ!
「美琴!時山くん凄いねっ!ね!!」
いつの間にか戻っていた優花が私の背中を両手でペシペシ叩く。
「うん…すごい。」
すごく、かっこよかった。
でも、時山くん突っ伏したまま動かない。
大丈夫かな…?
「や、やったぞ時山…大丈夫か?」
先生の声かけに時山くんがムクッと顔を上げた。
「…鼻血出た。」
真っ赤な顔と、
ポタタ…と垂れ落ちる鼻血。
…
「ブッ。」