「…それを私、見てたんですね…」 …とてもじゃないけどあのときあなたの泣き顔に興奮してました、なんて最低すぎて言えないな。 「……俺、あの時ひとりじゃなかったんだね。」 腕をほどいて私の頬に手を添えて穏やかに微笑む。 「…うん。そうですね。」 あの時からずっと、あなたのことばかり考えてる。 多分、これからも。 「…」 どちらからともなくゆっくり唇を重ねた。 「……結婚しよっか」