ちょうど私たちの番がやってきてあっという間にゴンドラに乗せられてしまう。


勢いよく扉が閉まると、外の喧騒が消えて静かな2人だけの世界になった。






「…」






ど、



どうしよう






時山君は居心地悪そうにとりあえず頬杖をついて外の景色を見ている。





えっと、なんか、話題…あ





「そうだ、時山君は進路どうするの?将来とかもう決まってる?」


「あー…うん。俺、教師になりたいんだよね」


「え?」



…教師?



「うん。…変かな?」


「あ、全然変じゃないよ!凄く似合うと思う!」






なんだろう、この違和感。



「親父が教師やってるんだけど、なんとなく俺もその姿見て育ったからか教師っていう職業が一番しっくりきててさ。」


「そうなんだ……お父さん、帰ったらお家にいるの?」


「うん。いるよ。なんで?」




…あれ?


時山君のお父さんって…





違和感に違和感が重なっていく。




「あ…いや…。あっ、科目は英語とか?」


「んーん、俺英語苦手なんだよね。」


「え?でも英語話すの上手じゃなかったっけ…?」


「えぇ?全然だよ。それ、どこ情報?」




あれ?…あれ?




「どこの情報だろう…?」


なんでわたし勝手にそんな風に思った?