バチィンッ!!!!





時山君は、


長谷川さんの頬を思い切り引っ叩いた。







「…っ」







突然のことに驚く長谷川さんに構わず、時山君は長谷川さんの胸ぐらをつかんだ。







「ッふざけんな!!」







時山くんは泣きながら、顔を真っ赤にして怒っている。








「可哀想だったからそばにいたわけじゃねーよ!」







「…!」






「自殺されちゃ困るからそばにいたわけでもない!」







驚いて見開かれた長谷川さんの目から








「友達だから…大事な友達だからそばにいた!それ以上でも以下でもない!」







静かに涙が溢れ始める。







時山君が俯いて、涙声で言った。


「……ッだから…、もう……バカなことすんな。バカ。」






長谷川さんが、顔をぐしゃぐしゃにして子供みたいに泣き始めた。








「………純……っ、ごめん……。…ごめんね。」









泣きじゃくる2人を包む広い空は、

雲ひとつない鮮やかな青で。



さっきとは違う、暖かい風が頬を撫でて

その暖かさは、夢の中で感じたそれと、何一つ変わらなかった。