雪のように、溶けてなくなりたい





「夏目、なかなかロマンチックなこと言うね!」


「!?」


ロマン…チック?



キラキラとした笑顔で言った陽子の顔を、何度も瞬きしながら見つめる。



「だって、こんなに綺麗なんだよ!」


陽子が、次々と舞い落ちる雪を見上げテンション高い声で言った。




一緒になって空を見上げると、確かに真っ白な雪が舞い、真っ白なまま地面に溶けて消えていく。



「消えてなくなるなら、綺麗なままの方がいいもんね」



ドキ。




陽子の声のトーンが、さっきよりも真剣なものになったのがわかった。





「同じものを見てるのに、同じ世界にいるのに、人によって見え方が違うよね」



陽子が舞い落ちる雪を手で掴み、手の中で溶けていく雪を見つめながら言った。



ドキー…




陽子もそんな風に感じていたんだと、初めて知る。