「久しぶり」
「あ、……えーと」
「村西明子。中二の時の」
「……あ、ああ!」
「思い出してくれた?」
「その、何て言うか大人っぽくなった、ね。昔は」
「子供っぽくて暗くて可愛くなかった?」
「いや、その」
「いいの、本当のことだもの。あの時はごめんなさい」
「え?」
「私からの告白、迷惑だったでしょ。他の人に聞かれちゃってからかわれて」
「あれは」
「謝りたかったの、ずっと」
「……迷惑なんかじゃなかったよ。本当は、嬉しかった」
「──ほんとに?」
「うん」
「ありがとう──そう聞けてよかった。じゃあ」
「……」
「誰と話してたんだ、北原?」
「村西と」
「え? ……冗談やめろよ。村西は年末に事故で亡くなったって、俺が連絡しただろ」