真紀は、うずくまっている男に声を掛けてみた。 「あの…、どうしたんですか?」 「………。」 「何かあったんですか?…他に誰かいますか?」 「………。」 男は何も答えず、ただ、うずくまって震えているだけだった。 琢真も何度か呼び掛けたが、駄目だったらしい。 「困ったね…。どうしようか?」 「そうだな…。他にも誰かいるかもしれないし、とりあえず、下に行ってみるか…」