琢真は、表示から目を離し、真紀の揺れる瞳を真っ直ぐに見て答えた。



「大丈夫だ。俺が守ってやる。」


「…うん!琢真…、大好きだよ!」


「俺も…、真紀のこと、大好きだよ。」



緊迫していたエレベーター内が、少しだけ…

ほんの少しだけだが、温かい空気を纏った。



「頑張って、2人でここから逃げようね!」



琢真は一瞬、瞳を揺らめかせ、気づかれないぐらいに、ほんの少し俯くような仕草をしたが、



「…おう!2人で頑張ろうな!」



と、真紀に笑いかけながら言った。


この時に、琢真の決心はついていた。

きっと、これから起こる事態を、琢真は、なんとなくわかっていたのかもしれない。


次は誰の番がくるのかを…